• No : 7296
  • 公開日時 : 2023/11/29 12:35
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ION9000シリーズ、PM8000シリーズに対して、アナログ入出力の設定はどのように行いますか。

回答

アナログ入出力の機能は、アナログI/Oオプションモジュール、形式:METSEPM89M0024 をメータに装着することで、利用することができます。
設定は、フロントパネルのボタン操作でできません。設定ソフトのION Setupで行います。
設定ソフトのION Setupについては、下記の関連するFAQをご参照下さい。
 
ここでは例として、以下の内容で設定することを説明します。
 
<例>
  • 「1段目」に装着しているモジュールの、「1番」の「アナログ出力」ポートに対し、
  • 「電流の三相平均」の計測値を
  • 「0~10A」の範囲で
  • 「電流4-20mA」の出力モードで設定する
 

<設定手順>

1)
設定ソフト ION Setup でメータに接続し、Setup Assistant画面左側の
 
    Expansion Modules > Option Modules
 
を選択します。
画面右側のタブにおいて、設定を行いたいモジュールに対応するタブを選択します。
 
オプションモジュールは1台のメータに対し、最大で4個装着できますが、
それぞれのタブは、以下の位置のモジュールに対応します。
  • Module A:メータに直接装着しているモジュール(1段目)
  • Module B:メータに直接装着しているモジュール(2段目)
  • Module C:メータに直接装着しているモジュール(3段目)
  • Module D:メータに直接装着しているモジュール(4段目)
また、
  • A1~A4は、アナログ入力のポート
  • Q1、Q4は、アナログ出力のポート
を指します。
設定したいポートを選択し、[Edit]ボタンを押します。ここでは
  • 「1段目」に装着しているモジュールの、「1番」の「アナログ出力」ポート
に対して設定を行うので、
 
    タブ「Module A」の「Port A Q1」
 
を選択し、[Edit]ボタンを押します。パスワードの入力を求められた場合は、入力します。(パスワードは初期設定で「0」です。)
 
2)
この項はアナログ出力の場合のみ、行います。アナログ入力にはありません。
2-1)
すると、以下の画面が表示されます。タブ「Inputs」を選択します。
パラメータ「Source」に対し、アナログ入出力に割り当てたい計測値を指定します。
 
    「Source」
 
を選択し、[Edit]ボタンを押します。
 
2-2)
すると、以下の画面が表示されます。この中の
    EthernetDevice > Power Meter Modules > Power Meter
の中から、アナログ入出力に割り付けたい計測値を選択します。ここでは
  • 「電流の三相平均」の計測値を
割り付けたいので、
 
    「I avg」
 
を選択し、[OK]ボタンを押します。
(左の図は、画面を縦に引き伸ばしたときの図です。)
 
3)
タブ「Setup Registers」を選択します。
(この画面はアナログ出力の場合です。)
 
4つのパラメータ「Zero Scale」、「Full Scale」、「Port」、「Mode」に対し、以下の内容をそれぞれ設定します。
アナログ入力の場合は、「Update Rate」の項目もありますので、こちらも設定します。

Zero Scale:アナログ入出力を行う計測値範囲の最小値。-10^9~10^9の範囲で指定します。
Full Scale  :アナログ入出力を行う計測値範囲の最大値。-10^9~10^9の範囲で指定します。
                      必ず Zero Scale で指定した値よりも大きい値を指定します。
Port           :物理的なアナログ入出力ポート名を選択します。下の表から選択します。
Mode         :入出力モードを 「Voltage」(電圧)、「Current 4-20mA」(電流 4-20mA)、
                      「Current 0-20mA」(電流 0-20mA)から選択します。
Update Rate:(この項目はアナログ出力にはありません。)
                      アナログ入力が更新される間隔を、「One Second」(1秒)、
                      「High Speed」(高速)から選択します。

モジュールの取付け位置 端子番号 指定するポート名
1段目
(メータに直接装着しているもの)
入力 A1
入力 A2
入力 A3
入力 A4
出力 Q1
出力 Q2
Port A A1
Port A A2
Port A A3
Port A A4
Port A Q1
Port A Q2
2段目 入力 A1
入力 A2
入力 A3
入力 A4
出力 Q1
出力 Q2
Port B A1
Port B A2
Port B A3
Port B A4
Port B Q1
Port B Q2
3段目 入力 A1
入力 A2
入力 A3
入力 A4
出力 Q1
出力 Q2
Port C A1
Port C A2
Port C A3
Port C A4
Port C Q1
Port C Q2
4段目 入力 A1
入力 A2
入力 A3
入力 A4
出力 Q1
出力 Q2
Port D A1
Port D A2
Port D A3
Port D A4
Port D Q1
Port D Q2
 
4)
4つのパラメータ「Zero Scale」、「Full Scale」、「Port」、「Mode」をそれぞれ選択し、[Edit]ボタンを押します。開かれた画面で、値を設定します。ここでは
  • 「1段目」に装着しているモジュールの、「1番」の「アナログ出力」ポートに対し、
  • 「0~10A」の範囲で
  • 「電流4-20mA」の出力モードで設定する
ので
 
    「Zero Scale」に「0」、
    「Full Scale」に「10」、
    「Port」に「Port A Q1」、
    「Mode」に「Current 4-20mA」
 
と指定し、[OK]ボタンを押します。
 
アナログ入力の場合は、「Update Rate」の項目もありますので、こちらも設定します。
全てのパラメータの設定が済みましたら、[Send]ボタンを押して、設定内容をメータに転送します。
 
5)
Setup Assistant画面のValue列に、設定内容に従って正規化された、アナログ入出力の値が表示されます。
 
6)
メータの以下の画面でも、アナログ入出力の値を確認できます。
 
ホームボタン > Inputs/Outputs > Analog Inputs
 
ホームボタン > Inputs/Outputs > Analog Outputs
 
Analog Outputs画面で「0.73」と表示されています。
このとき、「電流の三相平均」の「I avg」の現在の計測値は、7.329Aと表示されています。
 
 
<参考資料>

■デジタルパワーメータ PM8000シリーズ ユーザガイド
P119 アナログ入力
P121 アナログ出力

■電力品質監視装置 ION9000シリーズ ユーザガイド
P138 アナログ入力
P140 アナログ出力

以上